僕らは、人生の最後何を求めるのだろう?

 あなたは、人生が終わる最後の瞬間、何を求めますか?

 どうなっていたら幸せな人生だったと思えますか?

 幸せな人生を送りために大切なことだと思うのですが、それを考えさせられる本を読みました。

 『モリー先生との火曜日

 全て実話の本です。



 この本の著者ミッチは偶然TVで、大学を卒業後16年間会っていなかった恩師モリー先生が病気で余命数ヶ月しかないことを知ります。

 16年振りの再会。

 そしてその日から毎週火曜日、モリー先生から人生についての最後の授業を受けることになります。

 モリー先生は、足から始まり、徐々に体の上へ上へと動かなくなっていく進行性の病気です。

 毎週火曜ミッチが先生の部屋を訪れる度に、モリー先生は徐々に弱っていき確実に死に近づいていくのです。

 そんな中、残された短い命を使って、モリー先生は「人生」というテーマの授業をミッチにしていきます。



 特に印象に残ったのは、「後悔」についてモリー先生が語るシーン。

 モリー先生が死の間近にあると聞きつけて、過去に教えた生徒や友人、知り合いがものすごい人数、最後にモリーに会おうとやってきます。

 そんなたくさんの人から慕われて、愛されるモリー先生も、過去に後悔していることがあるというのです。

 モリー先生の部屋に飾られたモリー先生のブゾンズの彫刻。それはモリー先生が親しくしていた友人ノーマンがプレゼントしてくれたものでした。

 モリー先生の奥さんが手術をして大変な状況にあった時に、ノーマン夫婦はその境遇を知っているのに、全く気にかけてくれず、連絡もなかったということがあったのだそうです。

 その出来事を境にモリー先生は、ノーマンと親しくするのをやめてしまいました。

 その後、何度か顔を合わせた時に、ノーマンはモリー先生との関係を修復して、また昔のように仲良くなろうとしてきました。

 モリー先生は、それには応じなかったのです。

 それをミッチに告白するシーンがあります。

「ミッチ・・・・・・2、3年前・・・・・・ノーマンは死んだ・・・・・・癌で。悲しいよ。私は会いに行かなかった。許さなかった。今、それがどんなにつらいか・・・・・・」

 そして、モリー先生は涙を流すのです。

 もう病気が進行していて、自分で流した涙を拭くこともできず、ミッチに拭いてもらうのですが、その時モリー先生は言います。

「人を許さなければいけない。そして自分を許すんだ」

「待ってはいられないよ、ミッチ。」

 これは心にズシンときました。

 日々、生きていると小さなことで人と衝突することがあると思います。

 いえ、もしかしたら小さなことではなく、深く傷つけられることもあるかもしれません。

 でも、人間、最期の瞬間が近づくと、そんなことは消えていくようです。

 大切な人であればあるほど、最後には大切な思い出だけが残る

 そして、人との別れはいつ突然にやってくるか分からない

 だから、後悔しないためにも、人を許し、自分を許すことは大切だとモリー先生は言います。



 大学卒業後、仕事に忙しく、学生時代にはあんなに親しく、たくさんのことを教えてもらったモリー先生に会いにいかなった。

 16年振りに会った先生。

 今では昔のように先生が踊る姿を見ることもできない。

 その16年間の空白が埋まっていきます。

「君がどうして私のところへもどってきたのか知らないがね。一つ言っておきたいことがあるんだ・・・・・・」

「もうひとり息子が持てるんなら、君がいいなあ」

 そして、やってきた最期の授業、もうモリー先生は言葉を発することもままなりません。

ミッチ「さよならをどう言っていいかわかりません。」

「これが……私たちの……さよなら……」

「愛している……君を」

ミッチ「僕も愛しています、コーチ。」

 お金や物を求めるようになった今の物質社会で、人が最後の瞬間に何を求めるのか、再確認させられました。

 それはモリー先生だけでなく、あなたも僕も一緒だと思います。

 もちろんお金は大切。一度きりの人生、お金持ちにもなった方がそれはいいと思います。

 でも、最後の瞬間、

『あぁこんなにお金が貯まってよかった』

『高級時計、高級車、こんなに物に囲まれて幸せだ』

そう思って最後を迎える人は少ないと思います。

 教え子に見守られ、2人の息子に大切にされ、奥さんに寄り添ってもらって、最後を迎えたモリー先生は幸せだったと思います。

 人生で大切なことは何か、そんなことを考えるきっかけをくれた本でした。

 作られたストーリーではなく、全てが実話であるというのが、またリアリティがあり、胸を刺します。

 本当に大切なものは何か本当の幸せは何か、見失いがちだと感じているなら、読んでみるといいかもしれません。

 きっと良いヒントがもらえると思います。

 なんだか読書感想文のようになってしまいましたが、人生で大切なことに気づくきっかけとなったら嬉しいです。